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 「カレン、今だ!」
 「わかってる!」

 紅蓮がルミナスコーンを突破しようとしているのに息を飲みつつも、意外にも僕の頭は冷静だった。
 ああ、いつの間に君達は仲良くなったのか。随分、阿吽の呼吸なんだな。
 これは嫉妬だろうか。紅蓮が遅いかかってくる。トリスタンが落ちていく。衝撃が襲う。途端に、目の前の紅蓮が、カレンが、憎らしく思えた。

 その場所は僕のものだったはずなのに。僕がいたはずなのに。僕が、僕が。

 その思考に気付いて、僕は面白いと笑った。この身も力も全てユフィに捧げると決めていたのに、これは嫉妬だ。
 今となっては懐かしい、まだシャルルの騎士であった頃。遠征では、どのナンバーよりも、ジノと組む場合が多かった。彼とはやりやすかった、と思う。いや、わからない。他のナンバーと組んだことは殆どなかったから、勝手にそう思い込んでいたのかもしれない。ただ、彼と組むことは苦ではなかった。時々、戦闘中に軽く冗談を言うから、少しハラハラさせられる部分はあったと思う。

 でもそれももう、昔のことなんだ。ジノのことを完璧には切り捨てられなかった。彼女と同じように、僕の心に踏み入ろうとしてくれた彼を、自ら切り捨てる術なんて持っていなかったし、持っていたとしても出来っこなかった。

 きっと何も知らないでいれたら。ルルーシュのギアスのことや、シャルルやマリアンヌの野望、その暴走が引き起こしたことを知らなければ、きっと今でも僕はルルーシュを憎み続けていただろう。許したわけではない。けれど、何も知らなければ、きっと今頃は、こんな場所で、こんな状況にはなかったはずだ。

 紅蓮の有線輻射波動の右腕が伸びる。どうにか避けて、MVSを振り翳した。トリスタンはもう見えない。
 上手く脱出できていればいい。

 ダモクレスにハッキングした通信はまだ寄越されていない。ルルーシュはまだ、梃子摺っているようだ。
 まだか。まだか。焦りが募る。ルルーシュ、早くしてくれ。気持ち悪いんだ。早く終わらせたい。全てを。


 明日がほしいと僕らは叫ぶ。けれどその先に僕らはいない。最後まで矛盾している。けれど、それは必要なことだ。

 きっとジノと会話するのもこれで最後なのだろう。最後の戦友との会話が、アレとは、滑稽だ。だが自分には相応しい。


 さあ、胸の辺りで疼く気持ち悪いものが下へと操縦桿を突き動かさないように。早く。
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