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人生自分満足可其充分
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 「無理だよ」
 淡々とスザクは呟いた。ジノは眉間に皺を寄せて唇をかみ締める。どんな問いかけを投げかけても、スザクは一辺倒に冷たくあしらった。否、本人の本心なのだ。あしらわれている、と思いたいのはジノの方だった。
 「…フレイヤの件は、公的に裁くことは出来ない。あれはシュナイゼル宰相閣下の勅命だった。お前が気に病む必要なんてない」
 「なら訊くよ。それは君の本心かい?」
 翡翠の瞳は、見定めるようにジノを見上げた。それはただの欺瞞だと、言外に訴えられている気分だ。ジノは否定しなかった。確かに、フレイヤが起こした被害は甚大だ。予告も警告もなく、逃げ遅れていた民間人、現地で戦っていた軍人、総督までも葬ったそれを、一個人として正当化するのは難しい。だがそれ以上に、ジノはスザクがフレイヤを自分の身を守る為に撃ったという事実を認めることが出来なかった。コックピットから引きずり出して「なんて馬鹿なことをしたんだ」と怒鳴りつけて殴ってやりたかった。あの時、退避という選択肢を選んだとして、マシンポテンシャルが違いすぎる第八世代ナイトメアフレーム相手にスザクが無事で済むとは到底思えない。
 しかし、通信記録を見ると、スザクは「撃たない」と直前まで否定していた。なのに、次の瞬間、乗っている人が変わったんじゃないかというくらいの変わり身で躊躇いなくフレイヤを放った。その事実に、ジノは混乱している。
 「違うだろう。僕を庇ったって君の気持ちが晴れるわけじゃないよ」
 「そんなつもりはない。ただ私は、真実が知りたいだけだ」
 「真実?見たままじゃないか。君の見たままが真実だ」
 「違う!」
 ジノは頭を大きく振って否定した。そんな彼を見て、スザクは不快そうに顔を歪めた。
 「私だってわかっている。現実逃避だと言いたいならそう言えば良い。けどな、私はどうも納得できない。撃たないとあれほど言っていたお前が、撃つはずはない。撃つつもりなんてなかったはずなんだ。あれだけナナリー殿下を守ろうとしていたお前が」
 「どうしてそんなことが言えるんだ。君は僕じゃない」
 「ああ。でもどうしても、納得できない。…お願いだ、教えてくれスザク。あの時、お前に何が起こった?」
 これが最後だ。真実を言ってくれ。ジノは懇願した。目の前の自分より小さい肩に両手を置いて、項垂れた。
 スザクはどこかジノの先の遠くを見つめ、暫く沈黙した。頼む、とジノの肩が震える。スザクはもううんざりだ、と小さく溜息をついた。
 「何も」
 その瞬間。ジノの視界は一瞬にして真っ暗になった。 

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冷たい枢木さん。
僕は元から壊れているからね!ロロっぽいけどスザクっぽい。スザクさんならいいなぁ。
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