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人生自分満足可其充分
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宰相閣下がおわす一室から帰ってきたスザクは、酷く憔悴していた。一体何があって、どこに行っていたのか尋ねたいという欲望はすぐに消え去った。今何か言えばきっと彼を傷つける。けれど何もしないで居られるほど忍耐はないから、ジノは学生服の肩を抱き寄せた。

スザクは抵抗しなかった。いつものように「重い」、「暑苦しい」と嫌味も漏らさない。最近彼の様子がおかしいのは明白であったが、自分の手の届かないところでスザクが傷ついてしまっては、出来ることは本当に少ないのだとジノは痛感した。

「あったかいなあ」

スザクは独り言のように呟いた。内容の割りに、感情がないその声色にジノは言い知れぬ恐怖を覚え、思わず彼の胸の前で組んでいた腕を解きそうになった。それでも、ぴくりと動いてしまったからきっとスザクは気付いている。

「どうかしたのか」

とうとう声を掛けてしまったジノは、その次に後悔した。後ろからでも分かる。スザクは泣いていた。ぽろぽろと大粒の涙がジノの白い袖に落ちた。

(そんな顔が見たいわけじゃないのに)

泣かないで、笑ってくれよ、とは言えない。何も知らないから、スザクが望む言葉もわからない。

涙を拭わないスザクの背に守るようにのし掛かりながら、ジノは固く目を閉じた。

(お前がブリタニア人ならよかったのに)

あの少女のように、彼を正当化させる甘い血が流れていれば、甘い言葉を囁いてきっと助けてやれるのに。







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逆効果なときだってあるさ。ユフィはもう冷たかったんだよね。
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