忍者ブログ
Admin*Write*Comment
人生自分満足可其充分
[596]  [594]  [590]  [588]  [580]  [565]  [562]  [552]  [547]  [251]  [235
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 「あなたも、お兄様と同じなのですね」
 「…ナナリー殿」
 「やめてくださいスザクさん。わたしは、わたしはもう何も知らなかったわたしではありません」
 強い言葉と共に、ナナリーはスザクの手に彼女らしくない強引さで手を伸ばした。だが、スザクはその手を握り返そうとはしない。ナナリーの眉は潜められ、彼女は小さな口をわなわなと震わせた。
 「教えてください。スザクさん。あなたとお兄様は、一体何を隠しているのですか」
 「それはご命令ですか」
 「いいえ、お願いです」
 「…ならば僕は、答えられない」
 伸ばされた小さな手が、拒絶に怯えたように落ちた。しかし、ナナリーの表情は強い決心に満ちている。スザクはいつか自分が慕っていた人を思い出して、眩しそうに目を細めた。後ろめたさなど、彼女が総督に就任する前から抱いているため、スザクにとって新しい動揺はなかった。ただこの場で、今この時に、彼女に真実を話すべきではない。
 エリア11が衛星エリアに確定されるまではもう秒読みだ。そんな中、ナナリーを失っては、そのプランは一瞬にして瓦解してしまう。それだけは、避けたい。いいや、それはただの言い訳にすぎないことをスザクは知っていた。手袋を取った右手が、強く拳を作る。
 「わたしの頼みでも、ですか」
 「ああ」
 「…何故わたしからお兄様を隠そうとなさるのですか。それは、一年前の」
 「ナナリー殿下!」
 スザクが大きく声を荒げる。ナナリーの小さな肩は、今まで向けられたことのない大きな激情に硬直した。目の前にいる男が、人間が、嘗て自分の手を優しく包んでくれた人とは到底思えなかった。
 今度は声を控えめにして、スザクは言う。
 「自分は今でこそ総督補佐を勤めている身ではありますが、自分はナイトオブセブン、皇帝陛下の剣」
 立場に逃げている、とスザクは心の底で自分を嗤った。
 「そして、貴女様はエリア11総督閣下。…ナイトオブセブンである自分の任務を、閣下に明かす義務はありません」
 最低だ。スザクはエリア11、行政特区日本のために、本人の事情も意思も関係なく骨の髄までナナリーを利用しようとしている。今ここでルルーシュのことを話してなんのメリットがある。彼女に疑念が生まれ、またそれを契機としてゼロが攻めてくるとも限らない。隠していたところで、疑念は積もるばかりだろうが、真実を話せば、彼女を本国に強制送還しなければならない。それだけは、それだけは。
 「スザクさ…」
 「お話はもう宜しいですね。自分はこれで失礼致します」
 ではまた、午後の会議で。
 スザクは振り向かず、総督執務室を後にした。
 ナナリーが後ろで泣いていたことには、気付かない振りをして。

------------------------------------------------------------------
スザクさんは絶対本当のことは話さないと思う。
エリア11のために、ユフィの夢のために今の彼があるんだから。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メール
URL
コメント
文字色
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
  • ABOUT
  • カレンダー
09 2017/10 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
  • 最新CM
  • 最新記事
  • プロフィール
HN:
まつや
性別:
女性
  • バーコード
  • ブログ内検索
  • カウンター
  • 手ブロ
Copyright © 人生自分満足可其充分 All Rights Reserved.*Powered by NinjaBlog
Graphics By R-C free web graphics*material by 工房たま素材館*Template by Kaie
忍者ブログ [PR]